漆で接着や補修をしたあと、表面に金のコーティングをして仕上げます。

使用する材料がすべて天然素材であることと、漆が水分や経年劣化に他の合成素材に比べて強いことから、器の修理には漆が最も適しているといえます。

そのうえで、金でコーティングすることにより、欠けやひびが装飾のようになり器に新たな表情をもたらしてくれます。

金は錆びないこと、またその高級感のある輝きから、直しの装飾に最も適しているといえます。

金と同じように接着や補修を行い、仕上げを金の代わりに銀で装飾します。

白っぽい器などには、銀の色のほうがなじみ、目立ちにくくなります。

銀は経年変化によって黒っぽく錆びてきますが、その色も渋い味わいとして楽しめます。

金仕上げと同じように、漆で接着や補修をしたあと、表面のコーティングも漆で仕上げます。

漆の色は黒・赤・茶のいずれかをお選びいただけます。

もともとの器の色が黒や茶ですと、同化して傷が目立ちません。

漆の赤を使うことで、アクセントをつけるのも粋な仕上げです。

金・銀のような金属の光沢がありませんので、落ち着いた仕上がりとなります。

ガラス製品の修理も承っております。

ガラスの場合、普通の漆では接着が難しいため、天然の本漆に合成樹脂が混ざったガラス用の漆を使用します。食品衛生法に適合したものですので、食器にも安心してお使いいただけます。

陶磁器と同様に、金仕上げ・銀仕上げ・漆仕上げが選べます。

ガラス自体が透明ですので、表面を金や銀でコーティングした場合でも、角度によっては修繕した断面の漆の色が見える状態になりますのでその点はご了承ください。